一番星




振り向いた先輩はいつもと変わらず柔らかく、微笑んでいた。

まるで、あたしがこうしてやって来ることを知っていたみたい。



駆け寄って、人ひとり分のところでピタリと足が止まる。

先輩の友だちが席を外してくれたみたい。



「卒業、おめでとうございます」

「ありがとう」




< 77 / 119 >

この作品をシェア

pagetop