Innocent Love
第一章
真っ赤な髪の彼
「……今日は、雲が多い……。雪降らないかな?」
ベッドのそばにある小窓から毎日の日課になってる、空観察をする。
窓から物置の上に置いてある卓上カレンダーに目を向ける。
過ぎた日にはちゃんと×を付けてある。最後に×が付いたのは昨日の土曜日。
「……お兄ちゃんまだかな?」
前にお兄ちゃんが来た日に言った約束の日曜日は今日。
お兄ちゃんに会える!
そう思うだけで私はワクワクしていた。
――トントンッ。
「……はい!」
お兄ちゃんだ!
扉からお兄ちゃんの姿が見えることを期待して目を向ける。
白い扉がゆっくりと開かれる――。
「…………えっ……?」