先輩!ダメですよ!?




×      ×       ×







ガンッ






ボコッ






「うわぁ”」





男の喚き声と、人を殴る鈍い音が暗い暗い夜の街に響く。








「晴哉、やりすぎだ。」






そう、漸に言われて男を殴る手をようやく止める。自分の手を見ると、男の血で汚れていた。






真っ赤に染まった手。





相手の顔は、苦痛と恐怖を映し出している。そして、俺の瞳は何も映し出していない。




光さえも映し出さず、ただただ暗い闇を映し出すだけ。
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