先輩!ダメですよ!?

私は何もできないことを痛感する。




下唇をギュッと噛み締めた。



我慢、我慢、我慢、心の中で何度も何度も唱える。






「カッコイイからって何よ。あんたなんか、顔だけなんだから。」





あぁ、やっぱりダメだ。耐え切れない。



いつの間にか体は勝手に動き女の人の前に行く。



怒りがグツグツと溢れかえる。





「馬鹿言わないでください!晴哉先輩は優しいもん。」




「私のことは悪く言っていい。でも、でも、先輩を馬鹿にしたら許さない。」





先輩が言っていた今さっきの大事なやつを馬鹿にするなって事、分かる。



こんな気持ちなんだ。



こんなに苦しくて辛いんだ。



私は、私のために言ってくれた先輩のために言う。
< 73 / 238 >

この作品をシェア

pagetop