先輩!ダメですよ!?
私は何もできないことを痛感する。
下唇をギュッと噛み締めた。
我慢、我慢、我慢、心の中で何度も何度も唱える。
「カッコイイからって何よ。あんたなんか、顔だけなんだから。」
あぁ、やっぱりダメだ。耐え切れない。
いつの間にか体は勝手に動き女の人の前に行く。
怒りがグツグツと溢れかえる。
「馬鹿言わないでください!晴哉先輩は優しいもん。」
「私のことは悪く言っていい。でも、でも、先輩を馬鹿にしたら許さない。」
先輩が言っていた今さっきの大事なやつを馬鹿にするなって事、分かる。
こんな気持ちなんだ。
こんなに苦しくて辛いんだ。
私は、私のために言ってくれた先輩のために言う。