大嫌いな君。
「失礼しまーす」

ガラガラっと図書室のドアを開ける


⋯人の気配なし

梓も⋯居なそうだな

どうしようかと考える


「うっ⋯ひっく⋯⋯」

女の子の泣き声

「⋯梓?」

どこだと辺りを見回す



「⋯そこで何してんだ?」

見つけたのは本棚の隙間

ハムスターかお前は。


「⋯どうした?」

ゆっくりと顔をあげる梓


「た⋯たちばなぁ」

「何があったし」


目、真っ赤だし

どんだけ泣いたんだよ

「もっ⋯森田くんが⋯女の人とイチャついてた」

泣き声を必死に押さえる梓



思わず抱き寄せる




⋯なにやってんの、俺









< 21 / 98 >

この作品をシェア

pagetop