大嫌いな君。
俺は出来る分妬みを買いやすかった
ある日、筆箱からシャーペンが1本無くなっていた
次の日は消しゴム
その次の日は定規
俺も反応するのもめんどくさくて気づいてないふりをした
するとそれはエスカレートして
ついに靴がなくなった
さて、どうやって帰るか⋯
ここまでされるならもっと早く対処しておけばよかったな
そんなことをぼんやり考えながら下駄箱の前に座り込む
放課後、外では陸上部らが部活をしていて騒がしいが自分の周りは妙に静かだった
「⋯あれ?橘?」
「⋯⋯⋯」
話しかけてきたのは今永梓だった
幼馴染、とはいえ幼稚園、小学校が同じで住んでる場所が近所なだけ
そんな関係
「まだ帰ってなかったのか」
「いや〜、宿題やってなかったから先生に捕まっちゃって⋯」