大嫌いな君。
「⋯ぷっ」


スリッパのサイズなんて気にしてねぇし

思わず笑ってしまう


「な、なんで笑うのさ!⋯やっぱりスリッパ恥ずかしい?私の靴履く?でもサイズ絶対合わないよな」


そんなことを真剣に話す今永がさらに面白くてまた笑ってしまう。


「ありがと、スリッパ貸して」

「はいっ!」



今永の手からスリッパを受け取り、履いて昇降口を出る




「ごめんな、汚れるから弁償するよ」

「あー、いいよいいよ百均だし」

「そういう訳にもいかねーよ」






なにより、あそこで来てくれたのが今永でよかった


靴なんかはどうでもいいけど

真っ直ぐで、優しくて、暖かい今永の笑顔がとにかくありがたかった







そんなありがちな俺の恋の始まり




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