box of chocolates
店が休みの月曜日。貴大くんが、うちにやって来た。今日までの間、話し合いの件には一切触れず、今まで通りにメールのやりとりをしていた。
「貴大くん、ごめんね」
貴大くんの顔を見るなり、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「どうして謝るの? お父さんに知ってもらえる、いいチャンスだよ?」
「きっと、反対されるから」
「反対されたら、あっさりと別れる気?」
「別れるなんて、イヤ」
私が力強く言うと、貴大くんは優しく笑った。
そして、ギュッと手を握り、定休日の札がかかった店に入った。
「ちょっと待ってて」
私は、貴大くんをテーブル席に案内して、両親を呼びに家へと向かった。
私が両親を連れて戻ってくると、貴大くんはテーブル席から離れたところで待っていた。
「こんにちは。先日は、失礼しました」
両親の顔を見るなり、深々と頭を下げた。
「どうぞ、お掛けになって」
母が貴大くんをテーブル席に案内した。それに続くように、私と父も座った。母は、お茶をいれるために席を離れた。
「お父さん、私とお付き合いしている、戸田貴大さんです」
何か話さなければと思い、父に貴大くんを紹介した。
「ああ、先日会った時に名前は聞いた。戸田くんは騎手だそうだね?」
父は、鋭い視線を貴大くんに向けた。
「はい。亡くなった祖父も、父も、元騎手です」
「それで、君も」
「はい」
母がガトーショコラと紅茶を運んできた。
「うちの看板商品だからね。どうぞ召し上がれ」
重苦しい雰囲気を一蹴するかのように、母が明るく言った。ちょっと休戦して、ガトーショコラを美味しくいただいた。
「貴大くん、ごめんね」
貴大くんの顔を見るなり、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「どうして謝るの? お父さんに知ってもらえる、いいチャンスだよ?」
「きっと、反対されるから」
「反対されたら、あっさりと別れる気?」
「別れるなんて、イヤ」
私が力強く言うと、貴大くんは優しく笑った。
そして、ギュッと手を握り、定休日の札がかかった店に入った。
「ちょっと待ってて」
私は、貴大くんをテーブル席に案内して、両親を呼びに家へと向かった。
私が両親を連れて戻ってくると、貴大くんはテーブル席から離れたところで待っていた。
「こんにちは。先日は、失礼しました」
両親の顔を見るなり、深々と頭を下げた。
「どうぞ、お掛けになって」
母が貴大くんをテーブル席に案内した。それに続くように、私と父も座った。母は、お茶をいれるために席を離れた。
「お父さん、私とお付き合いしている、戸田貴大さんです」
何か話さなければと思い、父に貴大くんを紹介した。
「ああ、先日会った時に名前は聞いた。戸田くんは騎手だそうだね?」
父は、鋭い視線を貴大くんに向けた。
「はい。亡くなった祖父も、父も、元騎手です」
「それで、君も」
「はい」
母がガトーショコラと紅茶を運んできた。
「うちの看板商品だからね。どうぞ召し上がれ」
重苦しい雰囲気を一蹴するかのように、母が明るく言った。ちょっと休戦して、ガトーショコラを美味しくいただいた。