box of chocolates
今日は、店を十七時で閉店にし、私のために卒業祝いパーティーを開いてくれるのだと言う。
「卒業、おめでとう!」
仕事の合間を縫って、兄と、とわさんがわざわざ茨城までお祝いにかけつけてくれた。
「ありがとう! とわさんまで来てくれて、嬉しいな」
一人っ子のとわさんは、ふたつ歳下の私を妹のように可愛がってくれた。兄と一緒に茨城に来る時は、必ず何か私が喜びそうな手土産を持参してくれた。私も、何度か会ううちにすっかり懐いて、お互いメアドを交換していた。
「杏ちゃん、遅くなったけど、ホワイトデー!」
バレンタインには、とわさんに手作りチョコをプレゼントした。ついでに兄にも。
「ありがとう!」
「女にバレンタインなんかあげたら、男が寄りつかなくなるよ」
あまりの仲の良さに、兄がヤキモチをやいた。
「寄りつかなくても、いいもん」
それは、本心だった。八潮さんのことがあり、恋をするのが怖くなった。
「杏ちゃんだったら、すぐに素敵な彼氏ができると思うよ」
とわさんのひと言に、私は何とも言えず、笑ってごまかした。
「卒業、おめでとう!」
仕事の合間を縫って、兄と、とわさんがわざわざ茨城までお祝いにかけつけてくれた。
「ありがとう! とわさんまで来てくれて、嬉しいな」
一人っ子のとわさんは、ふたつ歳下の私を妹のように可愛がってくれた。兄と一緒に茨城に来る時は、必ず何か私が喜びそうな手土産を持参してくれた。私も、何度か会ううちにすっかり懐いて、お互いメアドを交換していた。
「杏ちゃん、遅くなったけど、ホワイトデー!」
バレンタインには、とわさんに手作りチョコをプレゼントした。ついでに兄にも。
「ありがとう!」
「女にバレンタインなんかあげたら、男が寄りつかなくなるよ」
あまりの仲の良さに、兄がヤキモチをやいた。
「寄りつかなくても、いいもん」
それは、本心だった。八潮さんのことがあり、恋をするのが怖くなった。
「杏ちゃんだったら、すぐに素敵な彼氏ができると思うよ」
とわさんのひと言に、私は何とも言えず、笑ってごまかした。