box of chocolates
夏の夜風に吹かれながら、結構な距離を歩いた。足は疲れていたけれど、心は満たされていた。途中で休憩することもなく、地図をみながらただひたすらにホテルを目指した。今夜は、星が綺麗だと思った。
「あんまり夜出かけたりしないから、たまには夜道を歩くのもいいね」
戸田さんが夜空を見上げてそう言った。私と同じように思ったのかもしれない。
「飲みに行ったりしないの?」
「誘われたら行くけれど、だいたいは家にいる。休みの日も予定がなければゴロゴロしているか、馬を見て癒やされてるよ」
「ゴロゴロしているくらいなら、私と遊んでよ」
函館の夏の夜は、私に勇気をくれた。夏の夜風が背中を押すようにして、言葉が口をついて出た。戸田さんが立ち止まる。私も歩みを止めた。
「私、戸田さんに興味があるんだ」
「オレに? 競馬じゃなくて?」
身長差がほとんどないから、すぐに目が合ってしまう。まっすぐに戸田さんをみつめると、もう後戻りはできなかった。
「私、戸田さんを好きになってしまったらしい」
『好き』と言ったのに、恥ずかしさはなかった。胸に引っかかっていた何かが取れて、スッとした。
「あんまり夜出かけたりしないから、たまには夜道を歩くのもいいね」
戸田さんが夜空を見上げてそう言った。私と同じように思ったのかもしれない。
「飲みに行ったりしないの?」
「誘われたら行くけれど、だいたいは家にいる。休みの日も予定がなければゴロゴロしているか、馬を見て癒やされてるよ」
「ゴロゴロしているくらいなら、私と遊んでよ」
函館の夏の夜は、私に勇気をくれた。夏の夜風が背中を押すようにして、言葉が口をついて出た。戸田さんが立ち止まる。私も歩みを止めた。
「私、戸田さんに興味があるんだ」
「オレに? 競馬じゃなくて?」
身長差がほとんどないから、すぐに目が合ってしまう。まっすぐに戸田さんをみつめると、もう後戻りはできなかった。
「私、戸田さんを好きになってしまったらしい」
『好き』と言ったのに、恥ずかしさはなかった。胸に引っかかっていた何かが取れて、スッとした。