お伽噺を紡ぐふたり
「ちょっ…と、待ってください…!!」

人混みを掻き分けながら必死にリベルテはキースの後を追いかける。リベルテは人に当たりバランスを崩してこけてしまう。

「あー、ごめんごめんー。ってめっちゃ可愛いじゃんー。お嬢さん時間あるー?」
「え…あの…私…」
「って、半獣じゃん…じゃあ、今晩の相手してよ。ねぇ、いいでしょ?」

目の前でニタニタと笑うおじさんはリベルテを舐め回すように見ながら手を伸ばす。

触られたくない…!

「止めろ」

先に進んで行ってしまった筈のキースはリベルテの前に立ち塞がり、おじさんを鋭い眼光で睨みつける。

「ハァ?何言ってんの?この子半獣でしょ?君の慰み者だろうけど、1日ぐらい貸してくれよ。金は出すからさぁ」
「そんな金は要らないし、彼女は俺のものでもない、が彼女がお前に触れられたいようには思えないが?」
「うるせぇんだよ。半獣は、人間様の家畜。これが常識でしょう?お前の所有物じゃないなら引っ込んでな」
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