お伽噺を紡ぐふたり
「その汚い手が燃やされたくないなら、テメェこそ引っ込んでな…」
「ああ?」
「噂は聞いたことないか?時々現れる焼失死体の話」

意地悪そうにキースはニヤリと口の端を歪めて笑った。おじさんはびくりと、体を震わした。

「焼失…死体…」
「こんな赤い目の男が死刑を執行してるんだよ…覚えときな」

おじさんの目の前にキースは手をかざす、そこからボウッと赤い炎が現れた。

「魔法…使い…様」
「政府公認執行官、火炎使いのキースっていうんだよね、俺。わかる?ここでは、俺が正義なの」
「噂は…かねがね…」
「そ!じゃあ、消えてくれるかな?」
「ヒィ…す、すみませんでした…!!」


おじさんは足をもつらせながら走っていく。リベルテは優しい表情から一変して冷酷な危険な匂いのするキースを唯々見ていた。

リベルテに視線を合わせながらそっとキースは手を伸ばした。びくり、としてリベルテは逃げ腰になる。

「怖がらせちゃったかな…?」
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