お伽噺を紡ぐふたり

「金髪碧眼の美しいお嬢さんだから、淡いドレスが似合うと思ったのよ。」


マダムリリーに背中を押され、キースの前にリベルテは進み出た。
マダムリリーが選んでくれたカメオピンクのドレスよりもカジュアルなワンピースが可愛らしい。
リベルテは好みなど考えたことは無かったが一目見てこのワンピースを好きになった。


「…どうですか…？」
「…いいんじゃないか」
「あーらぁ？旦那様？そういう返事は女性によくありませんわよ？」
「マダムリリー…勘弁してくれ」
「この服とても気に入ったのだけれど…、似合ってないですかね…」
「ウフフ…大丈夫よぉ。素敵すぎて照れてるのよ」
「金は置いとく」
「お買い上げありがとうございます、いってらっしゃいませー」


キースはお金を置くと一人でさっさと出て行こうとしてしまう。慌ててリベルテはその後を追いかける。