【短編】弟はキューピッド!?
「あ、そろそろ行かなきゃな。実樹、ちゃんと応援しろよ。
よしっ勇樹、勝ちに行くぜ!!」
「あ、待ってくださいっ」
コートの方へ戻る勇太先輩の後を追う。
「ちょっと待って!」
姉貴の声。
俺も先輩も足を止めて振り返る。
ほんのり赤い顔の姉貴が、俺らの方を見て立っていた。
「えっと・・・頑張って!」
小さくガッツポーズをする、姉貴。
「おう、頑張る!ありがとー!!」
勇太先輩が手を振ると、ちょっとはずかしそうに手を振りかえした。