【短編】弟はキューピッド!?
「いいのよ、勇樹くん。第一、姉孝行を考えたのは貴方なんだから。
それに、実樹を後押ししたのは貴方の言葉なんでしょ?」
「え、なんでご存知なんですか?」
俺が顔をあげると、ふふっと未香さんは微笑んだ。
「今の実樹、すごくしゃべるのよ。のろけがほとんどだけど。ま、その流れで聞いたの」
…呆れた。
これが幸せボケというやつか。
「いいじゃない、真っ直ぐな気持ち。
わたしもそんな気持ちで恋がしてみたいわ」
「じゃあ俺、未香さんのキューピッドになりましょうか?」
そう言うと未香さんは声を上げて笑った。