愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「麗子…?」
不思議に思い声を掛けると、麗子は小さく低い声で聞いてくる。
「真央…もしかして…何も聞いてないの?」
「聞いてないって…何を?」
「…嘘でしょ…」
青ざめた麗子は、その言葉を最後に黙りこむ。
私が聞いてない事って…麗子はなんの話しをしてるの?
「ねぇ、麗子、私が聞いてない事って何?教えて…」
「あぁ…あのね、…私、偶然、聞いちゃったの…」
話しが核心に迫ったその時、突然麗子の顔が引きつり口籠った。そして、彼女の視線が私を通り過ぎ背後に向けられているのに気付いた直後、誰かに腕を掴まれ強く引っ張られたんだ。
「わわっ!」
驚いて振り返ると、鋭い眼をした俊が麗子を凝視していた。麗子はバツが悪そうに眼を伏せると私に背を向ける。
「しゅ…ん…」
「真央、行くぞ!」
俊は麗子から視線を逸らす事なくそう言うと、私を抱える様にして歩き出す。
「ま、待って、俊。私…麗子と話しが…」
「来いって言ってんだろ!!俺に逆らうな!!」
それは、付き合って初めて俊が私に向けた恐ろしい表情だった。
俊、どうしちゃったの?何をそんなに怒ってるの?
麗子を廊下に残し、俊は私を強引に教室に引きずって行く。その横顔は、まさに鬼の形相という言葉がピッタリで、恐怖を感じた私の背中に冷たいモノが走る。
教室に入り私を乱暴に席に座らせると、俊が机の上にドカッと腰を下ろし、さっきと同じ恐ろしい眼をして言う。
「真央、もう麗子とは関わるな!!」
「でも…」