愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
門限の時間が迫ってきた。私はベットから起き上がり制服を着て髪を整える。
「じゃあ、行くね」
まだベットに居る俊に声を掛け部屋を出ようとした時、彼が何かを思い出した様に私を呼び止めた。
「真央、俺、明日学校終わったら中学の時のツレと会うんだよ…」
「そうなんだ…」
「だから明日は会えない。悪いな」
「うぅん。いいよ。楽しんできて」
そう言って笑顔で部屋を出ると、なぜか大きなため息が漏れる。
なんだろう…この気だるい感じは…最近、俊と居ると凄く疲れる。素の自分で彼に甘える事が出来ないからかもしれない。
間違いなく、私達の心は少しずつズレ始めてる。
違う…私達じゃない…私だ…
俊と居ても何か物足りない。私が求めてるモノがそこにはない様な気がして虚しくなる。
求めてるモノ…か…
私はあえてその答えを出すのをやめた。それは、どんなに求めても叶わぬモノだから…
そうやって曖昧な状態にして私はズルズルと俊との関係を続けてる。イヤなら別れればいい事。でもそうしないのは、なぜだろう。
自分で自分の気持ちが理解出来ない。
まだ少し肌寒い夜風が私の髪を乱し、沈んだ気持ちを一層、暗く切なくさせる。
…もう考えるのはよそう。
キリキリ痛む胸を押さえ足早に家路を急いだ。