愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「じゃあ、これからは、あんまり会えないな…」
「えっ?」
こんなにアッサリ納得してくれるとは思わなかった…
「そんなら、もう帰って勉強しろ!送ってくよ」
「あ…っ、まだ今日はいいよ…」
慌てて首を振る私の肩に手を置き、俊が立ち上がる。
チラッとアイさんに眼をやると、アイさんは何も言わずコクリと頷いた。その姿に私は深々と頭を下げ、俊を追い店を出た。
人通りが多くなってきた道を2人並んで歩きながら、私は夕焼けで茜色に染まった俊の横顔に話し掛ける。
「ごめんね、俊。私…短大行こうって思ってるの…」
「そうか。真央がそう決めたんなら頑張れよ。仕方ねぇな…暫く禁欲すっか!」
明るく笑う俊の顔が、なぜかとても寂しそうに見え胸が痛む。
ねぇ、俊…どうしてそんなに優しくするの?いつもなら自分の思い通りにならないと怒るのに…
今の私にその笑顔は辛すぎる。いっその事、怒鳴られた方が楽だった。
「…俊…、俊がもし、私と会わない間に…その…好きな人が出来たら…私の事はいいから…」
「真央!!」
私の言葉を遮り俊が声を荒げた。
「何でそんな事言うんだ?俺がどれだけお前の事好きか…分かってるだろ?もしかして…まだ木村との事、疑ってるのか?」
「…………」
「アイツとは、何でもねぇよ。それに木村は、俺の事嫌ってるしな…」
「えっ?」
沙紀が俊を嫌ってる?