愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「俺と木村の間に恋愛感情なんてないよ。アイツと話してた内容は、そんな甘いモンじゃない」
遠い眼をした俊が淡々と話すのを聞き、その言葉が嘘とは思えなかった。
「私には、教えてくれないの?」
「今は…まだ…いつかきっと話すから…」
それ以上聞けなかった。うぅん、聞ける訳がない。私だって、俊の心を裏切ってる。俊を責めることなんて出来ないよね…
「俺、真央が短大合格したら、その学校の近くで就職先探す。約束したもんな。ずっと真央の側に居るって…」
「あ…」
優し過ぎるよ…俊
お願い。私なんかに、そんなに優しくしないで…
私の眼には、また涙が滲んでいた。
それからの私は家でも学校でも必死で勉強した。大学の推薦を決める校内の模試の成績は思った以上の好成績で、お陰でレベルの高い短大の推薦を貰うことが出来たんだ。
年内には短大の合格の知らせが届き、全てが順調。ただ一つ。俊の事を除けば…
二月に入ると卒業式まで学校は休みになり、一人で考える時間が増え私は毎日、この先、自分がどうすればいいのか思い悩んだ。
そんな時、俊から私が合格した短大の近くにある建設会社の面接に行くと聞かされ凄く焦った。自分でも驚くくらい不安になる。
きっと、これが今の私の本心なんだ。
アイさんに言われた言葉が胸に沁みる。俊の事は好きだけど、これ以上、彼と一緒には居られない。
たとえ、二度と会う事が叶わなくても、今の私の心に居るのは和弥なんだ。和弥を想い続けている限り、私は俊を幸せにしてあげれない。