愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
気付くと教室に人の姿はなく、私達2人っきり。静まり返った教室に俊の笑い声が響く。
「あっ!!それと…あの話し、しなきゃいけなかったな。木村と話してたアレ…」
私は俊の唇をソッと人差し指で押さえ首を振った。
「良くない話しなんでしょ…?」
「まあな…この話しを聞いたら、きっと真央は俺を恨むだろうな…」
「だったら、聞かない」
「何言ってる?あんなに聞きたがってたのに…」
もうそんな事どうでも良かった。その話しを聞いたところで、和弥が戻って来るワケじゃない。なら、俊を苦しめてまで聞く必要はないと思ったんだ。
俊との思い出を綺麗なまま終わらせたい。
「俊とは笑って別れたいから…」
「ホントに、いいのか?」
私はコクリと頷くと、俊の腕に手をまわす。
「でも…これだけは、言わせてくれ…」
「何?」
「和弥に彼女が居るって真央に言ったよな。あれは…嘘だよ…」
「えっ?」
「今は分かんねぇけど…あの時は、和弥に彼女なんて居なかった…」
「そう…だったの…」
目を伏せ、俊がすまなそうに頭を下げる。
「もういいんだよ…俊。私が俊にしてきた事に比べたら、そんな事…」
「悪かった…。俺、どうしても真央を自分のモノにしたかったから…」
俊も辛かったんだよね。だから、もういいの…
「それより…これ」
私はポケットから取り出したモノを俊の手に握らせた。
「これは…」
「アメちゃんだよ。俊の好きなピーチ味。探すの苦労したんだからー!!コンビニ3件ハシゴした」
俊の大きな手が私の頭を優しく撫でてくれる。
「真央、ありがとな」
照れ笑いを浮かべた俊の顔が眩しかった。
元気でね…俊
今まで本当に、有難う。俊の事、絶対忘れないよ…
絶対に…