愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
私はわざとゆっくりシャワーを浴び、全く気合いの入っていない適当な化粧をして美奈子の言っていた店に向かった。
美味しいと評判の韓国料理の店だ。一度行きたいと思っていた店だから、今日は思いっきり食べて帰ろう。
店の前で待っててくれた美奈子と店内へ入ると、もう既に全員揃っていて合コンは始まっていた。
「おまたせー!!この娘、真央ちゃん!可愛いでしょ?」
美奈子が得意げに私を紹介すると男性軍から拍手が巻き起こる。
なんか…ヤダ…
愛想のない引きつった笑顔でペコリと頭を下げ、美奈子の隣。一番端の席に座り並べられた料理を確認する。
私のメインはチャライ男達より、この料理だ。
「美味しそー!」とニッコリ笑うと、前に座っていた男性がビールを片手に話し掛けてきた。
「真央ちゃん、ビール飲める?」
えっ?真央ちゃん?馴れ馴れしい人だなぁ…
眉を顰め上目遣いで彼を見た瞬間、私は思わず息を呑む。
和弥…?
うぅん。和弥じゃない…けど、凄くよく似てる。
体格も髪型も、笑った時にチラッと覗く小さな八重歯まで…
「グラス持って」
「は、はい…」
彼から目が離せない。胸が痛い…苦しい…グラスを持つ手が震え体が動かない。
「どうしたの?」
不思議そうに私の顔を覗き込むその顔が和弥そのもので、和弥が眼の前に居ると錯覚してしまいそうになる。