愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
次第に彼は人影まばらな路地へと入って行く。そしてホテルの前で立ち止まると、またあの笑顔を私に向けた。
「いいだろ?」
私に断る理由などなかった。だって、彼は和弥なんだから…
「うん…」
ホテルの部屋に入るとすぐに彼は私を抱き寄せキスをする。その唇の感触まで和弥と同じで、私は堪らず彼を抱き締めていた。
あぁ…和弥…。会いたかったよ…和弥…ずっと、和弥を待ってたんだよ。
今まで我慢してきた想いが溢れ出し、私から舌を絡め何度も唇を押し当てていた。
彼の手がセーターの中に滑り込み立ったまま胸を掴まれると一瞬にして体の力が抜け、ため息にも似た甘い声が漏れる。
「感じてるんだ…」
勝ち誇った様な瞳が私を捉えて離さない。その視線だけで私の体は久しぶりに熱く火照った。男の人に抱かれるのは、一年ぶりだ…忘れかけていた感覚が蘇ってくる。
「ベットに行くよ」
彼は1人でベットに向かい寝転ぶと、私への愛撫はそこそこに自分の快楽を優先させた。それでも私は言われるまま彼に従う。
和弥がそうして欲しいと言うなら…どんな事でもしてあげたい。
でも、彼の要求がエスカレートしていくと、私の気持ちが徐々に変化し始めたんだ…
何か腑に落ちない。
初めて私を抱いた時の和弥と全然違う。
そう思い始めた時、ほとんど愛撫のないまま私の中に入ってきた彼が、あっという間に果てた…自分だけ満足出来ればそれでいいというなんともお粗末なセックス。
呆然とする私に彼はニヤリと笑い信じられない事を言ってきた。
「俺の事、好きなんだろ?シテもらえて嬉しいか?」
「えっ?」
「合コンに来る女なんだから…コレ目当てだったんだろ?まぁ、いつでも相手してやるから後でメアド教えろよ」