愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

まるで人が変わったみたいに冷たい視線を私に浴びせ、薄ら笑いを浮かべてる。あまりのショックで頭の中は真っ白。


「今度は、いつシテほしい?」


悪びれる様子もなく平然と私を見て笑う彼の態度に全身の血が逆流する様な怒りを覚え、私の肩を抱こうとした彼の頬を思いっきり平手打ちしていた。


バシッ…!!


「い、痛てっ!何すんだよ!!」


こんな最低な男…和弥なんかじゃない!!


「ふざけないで!何がシテほしいよ!バカにしないで…アンタみたいな男となんて、二度とゴメンよ!」

「何…?」


今までそんな風に言われた事などなかったんだろう。彼は言い返す事なく驚いた顔をして私を見つめていた。


「こんな自分勝手ななエッチで、よくそんな偉そうな事言えるよね。恥ずかしくないの?」


私はそう怒鳴ると急いで服を着てホテルの部屋を飛び出し、夢中で大通りまで走ってタクシーに飛び乗った。


タクシーの中で無性に泣けてきて、涙が止まらない。酔っていたとはいえ、あんな男を和弥だと思い込みホテルにまで着いて行った自分の愚かさに腹が立って仕方なかったんだ。


女性を性のはけ口としか思ってない様な男に抱かれた自分が情けない。


どうしてもっと冷静になって考えられなかったんだろう…和弥がここに居るワケないのに。私の元に帰って来てくれるはずないのに…


寮に着いた頃には門限の時間はとっくに過ぎていて、私は見つからない様に静かに部屋に戻ると、美奈子も帰ったばかりらしく鼻歌を歌いながら化粧を落としてた。


「…美奈子」

「真央?どうしたの?」


私の泣き顔を見るなり美奈子が驚いた顔で駆け寄って来て低い声で聞いてくる。


「後藤君と…なんかあった?」


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