愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
次の日は、朝から雨だった…
その雨は夕方になっても止む気配はなく、私の気持ちを一層、憂鬱にさせる。
後藤君との約束の時間が近づいてきた。美奈子が心配して少し離れた場所で見ててくれると言うので、私は1人、校門に向かう。門を出ると既に後藤さんが来ていて、私を見るなりニヤッと薄ら笑いを浮かべた。
「やあ、真央ちゃん。ドジだね、携帯忘れるなんて」
「言われた通り1人で来たわ。私の携帯返して!」
「せっかくまた会えたのに、そんな怖い顔するなって。でも、エッチ好きの割には、意外と男友達少ないんだ」
「まさか…見たの…?」
勝手に人の携帯を覗き見するなんて、どこまで救いようのない男なの…
「カズヤって奴をフッて、シュンって奴とデキちゃったんだ~可哀想なカズヤ君」
そう言うと、私の携帯を指で摘んで自分の顔の前で小さく振ってみせる。
「後藤さんには関係ないでしょ!!携帯返して!!」
携帯を奪い取ろうとした私の手をかわし、またニヤッと笑う。
「俺の言う事聞いたら返してやるよ」
「な…話しが違う…」
「気が変わったんだよ。いいか?昨日の暴言を謝って、俺ともう一回寝たら返す」
もう一回…寝たら…?この男、何考えてるの…
怒りで傘を持つ手がワナワナと震えだし、周りに人が居るのも忘れ大声で怒鳴っていた。
「いい加減にして!アンタなんかと、もう寝るもんですか!!」
私は傘を放り投げると後藤さんに飛び掛り、携帯に手を伸ばす。