愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

次の日、意を決し美奈子と朝一で警察に向かった。


必死で後藤がやった事だと説明するが、警察の人は彼だという証拠が無いと難しい顔をする。


証拠なんて…それを調べるのが警察の仕事なのに…


確かに、彼の姿を見た訳じゃない。あのケーキも寮母さんが買い物から帰ると玄関に置いてあったと言ってたし…


「なるべく1人で行動しないで下さい」と防犯ベルを渡され、あっさり帰された。


自分が蒔いた種だから仕方ないのかもしれないけど、今度は何が起こるんだろう…と恐怖を感じながらの生活は苦痛だった。


それからは外出を控え短大と寮との往復の日々。楽しいはずの学生最後の年がこんな風に終わってしまうのかと思うと情けくて、毎日の様に泣いていた。


こんな調子だから就活もままならない。だから、なかなか内定を貰えずにいた…





それから一ヶ月…


すっかり落ち込んでた私の元に、久々に嬉しい知らせが届く。


信じられない…


ダメ元で受けた大手地方銀行の内定が貰えたんだ。


「真央ー、良かったねー」

「有難う!美奈子」


暗かった気持ちが少し明るくなった。


久しぶりに私…笑ってる…


笑えてる…

< 136 / 362 >

この作品をシェア

pagetop