愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
◇新たな出会い
―――四月
二年間の短大生活を終えた私は、名古屋の中心部にある大手地方銀行に入行し、社会人として働き出した。学生時代とは全く違いとても厳しい世界だ。
本当は仕事をする様になったら一人暮らしをする予定だったけど、やっぱり、まだどこか不安な気持ちが残っていて、取り合えず銀行の寮に入ることにした。
寮と言っても銀行が民間のマンションを丸々一棟借り受けたワンルームマンションだ。でも、セキュリティーは完璧。
管理人さんも居て男性の連れ込みは厳禁。夜の11時を過ぎる時は、必ず連絡を入れる事になってる。そして、何か問題があれば、すぐ銀行に報告がいくシステム。
意外に厳しい。寮に入った事、ちょっぴり後悔…
研修期間は一ヶ月。マナーや接客の講習。お札の数え方やクレーム処理の仕方などなど…覚えることが一杯で、毎日、クタクタだ。
なんとか無事に研修を終え、それぞれ配属される支店が発表されたんだけど…辞令を手にした私の顔が引きつる。
「うそ…本店勤務…?」
本店だけは嫌だったのに…
一番、大きくて、一番、忙しい所。お偉いさん達が常に店内に居るし、気が抜けない。
あぁ…鬱になりそう…