愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
大塚さんは、土日は取引先の社長が主催するゴルフコンペに出る為、静岡に行くそうで、帰りは日曜の夜になるらしい。なので詳しい話しは月曜にするという事で携帯を切った。
私は大塚さんに言われた通り休日は外出を控え月曜の出勤は同じ本店に勤める先輩と一緒に寮を出た。
昼休みに入った時、外回りをしてる大塚さんから携帯に着信が入る。
『北沢さん、俺、どうしても気になって、昨日の夜、あの後藤って奴に電話したんだ』
「えっ!ホントなの?」
『うん。ちょっと脅してやったらシュンてして、大した男じゃなかったよ。ただ…』
「ただ…何?」
『このままじゃ、自分も納得出来ないから、もう一度だけ会って話しをさせて欲しいって…』
「ヤダ!会いたくないよ」
焦る私に、大塚さんは至って冷静に言ってくる。
『平気だよ!俺も一緒に行く。俺だって、アイツに言いたい事、山ほどあるからさ。もう二度と北沢さんに近づかないように君の眼の前で約束させてやるよ』
「…うん」
気は乗らなかったが、大塚さんがそこまで言ってくれるのならと承諾し、その日の夜、約束の場所に2人で向かった。
かなり高級そうな料亭
「ここは前に銀行の接待でお客様と来たとこなんだ。個室になってるし、周りを気にしなくていいから…」
「…うん」
そう返事はしたけど、やっぱり気か進まない。店の入り口で入るのを躊躇していると、私の肩を大塚さんがソッと抱き「俺を信じて…」と微笑んだ。
その優しい笑顔に私は覚悟を決めコクリと頷く。
「分かった…」