愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
こんな男に好きにされるくらいなら死んだ方がマシだ…。でも、もうダメ…頭がボーッとして抵抗する気力もない。
そう思った時、廊下から途切れ途切れに会話が聞こえてきた。
「…大塚君…ないか…」
「いえ…店長…」
「こんな所で…飲む…身分…」
店長?今、確かに大塚さんは店長って言った。本店の店長?もしかしたら助けてもらえるかも…
後藤もその話し声に気付いたのか、一瞬、顔を上げ体を起こした。
今だ…
私は口に押し込まれていたおしぼりを吐き出すと「助けてー」と叫びながら、残っていた力を振り絞り後藤の腹の辺りに思いっきり膝を立てた。見事に入った膝蹴りに後藤が丸くなってうずくまる。
「うぅっ…痛ってぇ…」
後藤の体を押し退け立ち上がったのはいいが、フラフラしてまともに歩く事が出来ない。
私…どうしちゃったの?上手く歩けない…でも、とにかく逃げなきゃ…
ヨロヨロとフラつきながら必死で後藤から逃げようとしていると…「逃がすか!!」そう叫んだ後藤が私の右足首を掴んで引っ張ったんだ。
両手を後ろで縛られてる私はバランスを崩し背中からテーブルの上に倒れ込む。
「あぁ…っ」
ガシャ…ガシャーン…
凄い音をたて食器や料理が飛び散り、それと同時に背中に鋭い痛みを感じた…
「うぅ…痛い…」