愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「その格好じゃ、寮の人に変に思われないかな?今日の事…知られたくないだろ?
さっき料亭で俺と一緒に居たのは君の銀行の店長だったんだよ。店長は、君に暫く休みを取る様にと言ってた。仕事を休んで寮に居たら、何かと噂になるかもしれないしね。取り合えず、今日は寮には帰らない方がいいんじゃないか?」
こんな私の為に、そこまで気を使ってくれるなんて…どこまで親切な人なんだろう。でもこれ以上、新川さんに迷惑掛けれない。
「有難うございます…寮の人達に知られたくないですが、行く所ないし…寮に帰ります」
「泊まる場所なら、あるから…」
「えっ?」
丁度、到着したタクシーに新川さんが寮とは違う住所を伝えてる。
「あの…そこまでしてもらわなくても…」と恐縮しまくりの私。けど新川さんは「ここまで付き合ったんだから、最後まで面倒見るよ」て、満面の笑みで見つめてくるものだから、それ以上断れなくて…。
着いた場所は、この街でもセレブが住むと有名な超高層マンション。
「こ、ここですか?」
「あぁ」
歩くのも覚束ない私の腰に、さり気なく添えられる新川さんの腕。凄く自然なエスコートにドキドキ。
広いエントランスを抜けエレベーターに乗り込んだ彼が押したのは、最上階のボタン。高速で上昇していくエレベーターの中でも彼の腕が私を支えてくれていた。
そして、見た事もないカードキーで部屋の扉を開けると、私の腰をソッと押し「入って」と微笑む。彼に促され部屋に入った私は、あまりの豪華さに足が竦み動けなくなってしまった。
「す、凄い…」
広すぎるリビングには、高級そうな家具。壁一面ガラス張りの窓からは、眩いばかりの夜景が一望出来た。
モデルハウスみたい…。うぅん…それ以上…高級ホテルのスイートルーム級の部屋だ。
「ここは…?」
「俺の部屋。好きに使っていいから」
好きにと言われても…こんな豪華な部屋、緊張してくつろげないよ…