愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「普段は実家に住んでるんだけど、朝早く会社に行かなきゃいけない時なんかは、ここに泊まるんだ。週に二日ぐらいしか使ってないいから汚れてないと思うよ」
うそ…ここがセカンドハウス?
「こんな凄い部屋、本当に私が使っていいんですか?」
「全然かまわないよ。誰も居ないから遠慮しないで好きに使ってくれていい」
新川さんは戸惑う私をレザーの黒いソファーに座らせ、部屋の説明を始める。
「冷蔵庫には最低限の飲み物しか入ってないから、食事はデリバリーを利用してくれ。そこの引き出しにメニューが入ってるから好きな物を注文すればいい。あ、支払いの心配はないからね、月末にまとめて払うんだ」
「はぁ…」
「着替えは取り合えず、クローゼットの中のモノどれでも使って。俺のだから、デカいかもしれないけど…秘書の娘に買いに行かせて揃えてもいけど、好みもあるだろうから、信頼出来る君の友人に頼んで持ってきてもらった方がいいかな…」
「は…い」
私に考える間も与えず早口で捲し立てると「じゃあ、俺は実家に帰るから、スペアーキーここに置いとくね」そう言って、ガラステーブルの上にカードキーを置き玄関に向かって歩き出す。
「あの…本当に、有難う御座いました…」
彼の背中に頭を下げお礼を言うと、振り返った新川さんが笑顔で小さく頷いた。
「辛かったと思うけど、今日は何も考えず、ゆっくり休むといい…」
それだけ言って、新川さんは部屋を出ていった。