愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

電話を切ると、何か落ち着かない。立ったり座ったり、ソワソワして、まるで恋人を待ってる様な気分。何度も時計を見てはため息を付き、物音一つしない玄関を覗いてみたりした。


そして、7時過ぎ…


ピンポーン…


チャイムの音と共に慌てて玄関に走り出した私。扉を開けて入ってきた新川さんに思わず「お帰りなさい!!」と叫んでいた。


キョトンとした表情の新川さんだったが、すぐに「ただいま」と言って、苦笑いしてる。


あ……


「"お帰りなさい"なんて言って貰えるとは思わなかったから、驚いちゃったなぁー」


新川さんはネクタイを緩めながら私の肩をポンと叩きリビングに向かい歩き出す。


私…バカみたい。調子に乗って、まるで彼女みたいな事しちゃった…新川さんは笑ってたけど、何勘違いしてるんだろう…って思ったはず。


彼にしてみれば私みたいな子供、女として見てないだろうし、ここに連れて来てくれたのも、ただの同情。可哀想な捨てられた子猫を拾ってきたくらいにしか思ってないのかもしれない。


新川さんの後ろを歩きながら後悔しまくりの私。


「北沢さん、夕飯まだだろ?お寿司買ってきたから一緒に食べよう」


リビングのソファーに座った新川さんが手招きしてる。


「はい…」


新川さんの前に座るが彼の顔を見る事が出来ず、寿司折を開け、黙々と食べ始めた。そして、最後の赤身を口に入れた時、新川さんが急に真面目な顔になり、静かに話し出したんだ。


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