愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「そんな…新川さんにそんな事まで…一人で出来ます。シャワー浴びてから、ちゃんと自分で…」

「じゃあ、シャワー浴びておいで」


私は慌てて立ち上がり、消毒液とガーゼを持ってバスルームに向かった。


右手がダメでも、左手なら…


昨日と同じ様に背中を濡れタオルで拭き、鏡に背中を写しながら左手でガーゼを滑らせる。でも、上手く出来ない…


ダメだ…なんとか消毒は出来てもガーゼを貼ることが出来ない。悪戦苦闘の末、ガックリ肩を落とす。


パーカーのファスナーを上げ、トボトボと新川さんの元に戻ると「ダメだったんだろ?」と彼が笑ってる。


「はい…」

「ほら、こっちにおいで…」


ソファーに私を横向きに座らせ、後ろにまわった彼が突然リモコンで部屋の照明を落した。


「えっ?なんですか?」


振り返ろうとする私を制止し、ソファー横のサイドスタンドの明かりを点けて私の背中に向ける。


「あんまり明るかったら恥ずかしいだろ?これなら背中しか見えない」


新川さん…


そこまで気を使ってくれるなんて…あなたは、どこまで優しい人なの。


オレンジ色の淡い明かりの中で、私はゆっくりファスナーを下げパーカーをずらし肩を露出した。


ドキドキドキ…


心臓の音が体中に響き、必死でそれを抑えようと胸に手を当てる。


ひんやりとした感覚。鼻をつく消毒液のニオイ


少し…しみる…


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