愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「大切に、したかったから…」
大切にって…それって、まさか…
混乱する頭を整理する間もなく、彼の腕が後ろから私を強く抱き締めた…
「好きなんだ…君が…」
「うそ…」
自分の耳を疑った。だって、信じられなかったから…新川さんが私の事を好きだなんて…
「頼む…ここに居てくれ」
新川さんの熱い息が私の髪を揺らす。そして、ゆっくり上に動き出した手が服の上から胸の膨らみを確かめる様に動き出す。
「ずっと、こうしたかった。北沢さんに触れたかった…」
ここまで言われても私はまだ半信半疑で、こんな私を本気で好きになってくれるはずないって思っていた。
「…同情…ですか?だったら、やめて下さい。私、分かってます。新川さんと私は似合わない。だから、もう諦めました」
彼の動きがピタリと止まる。でもすぐに私の体はソファーに沈められ新川さんの顔が近づいてくる。
「諦めるの早過ぎない?そんなに簡単に諦められるほど、俺って魅力ない?」
「…それは…」
「昨夜、君に誘われた時は嬉しかったよ。正直、迷った…やっぱりあの時、抱いておくべきだったのかな?ここに来るのがもう少し遅かったら、危うく北沢さんに逃げられるとこだった」
新川さん…
「…本気で言ってるんですか?」
「疑い深いんだね。好きでもない女を自分のマンションに住まわせたりしないよ。俺はそんなにボランティア精神旺盛じゃないし」
「えっ…て事は…そんな前から私の事を?」
「銀行で君を初めて見た時から、ずっと好きだった…」
じゃあ毎日、窓口に通って5千円下ろしてたのは私に会う為?
新川さんが言ってた言葉の意味がやっと分かった気がして胸が熱くなる。