愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
◇遅過ぎた二人
少し眠った後、久しぶりに街に出て買い物をした。夕食を作ろうと思ったんだ。料理はそんなに得意じゃないけど、彼の為に何かしてあげたいという気持ちになったから…。
新川さんは何が好きなんだろう…いつも外食してる彼は、きっと舌が肥えてるはず。悩んだ末、結局シンプルな和食メニューになってしまった。
ドキドキしながら新川さんの帰りを待つ。
でも…彼は11時を過ぎても帰って来なかった。日付が変わった頃、新川さんからメールが入る。
《今日は遅くなりそうだから先に休んでくれ》
素気ない文章…今夜は寝かせない…なんて、嘘ばっかり。新川さんのバカ!
ふてくされてベットに入るが、眠れる訳がない。何度も寝返りを打ちながら時計を見てはため息を漏らす。
カチャ…
リビングのドアが開く音が微かに聞こえた。帰って来たんだ…もう2時をまわってる。
足音が近づいてきて寝室のドアが静かに開き、新川さんが私の横に立った気配を感じたが、私はワザと寝たふりを決め込んだ。
「すまない…」
小さな声でそう言うと、私の頭を撫で額に軽くキス…
その時…
「…………!!」
何?この匂い…甘ったるい香水の匂い…今まで女の人と一緒だったって事?
どうして?ずっと待ってたのに…酷い。酷いよ…新川さん