愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「早く返事を聞かせてくれ…これでも結構、ドキドキしてるんだから…」
そう言った龍司が私の手を取り自分の胸に当てる。手の平から伝わってくる熱く大きな鼓動…
「あ…ホントだ。龍司の胸ドキドキしてる」
クスッと笑った私の頬を突っつきながら困った顔した龍司が急かす様に言う。
「何度も言わせないでくれよ。結婚してくれるね?」
素直に嬉しかった。龍司と結婚出来るなんて、こんな幸せな事はない。けど、なんだろう…この不安な気持ちは…
不安というより怖いと言った方がいいのかもしれない。この恐怖がなんなのか?私は必死で自分の心に問い掛けてみる。
なぜ?どうしてこんなに怖いの?
やっぱり、龍司が高岡商事の次期社長だからなのかな?社長の妻になるプレッシャーは相当なもの。私にそんな大役が務まるだろうか…
けど、龍司の笑顔を見てると、そんな不安がちっぽけな事の様に思えてくる。彼が側に居てくれるなら、どんな事も乗り越えられる…そんな気がした。
だから私は彼を真っすぐ見つめ笑顔で頷いたんだ。
「はい…」
「そうか!!よし!!」
嬉しそうに叫んだ龍司が強く私を抱き締めそのままベットに倒れ込む。
「い、痛いよ…龍司」
「すまない…つい嬉しくて…」
こんなにはしゃいでる龍司を見るのは初めてで、私まで嬉しくなり負けじと彼をギュッと抱き締めた。
「そうだ!!真央」
「んっ?」
「子供作るぞ!!」
「えぇ!!まだ早過ぎだよ」
夢じゃないよね?私、龍司と結婚するんだ…
21歳になって初めて迎えた夜…それは、かけがえのないプレゼントを貰った最高の誕生日だった。