愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
◇嫌がらせ
次の日の朝、登校し教室に入ると、なんかいつもと雰囲気が違っていた。
すぐ隣の席の女子数人が、今までヒソヒソ話しをしてたのに、急に大声で話し出したんだ。
「えぇーっ!!嘘でしょ?」
「マジだってー!!もう、あたしもビックリしたよ」
「へぇ~…桜井君がねぇ…」
"桜井君"という名前にビクッとして彼女達の話しに聞き耳を立てる。
「なーんと!昨日、桜井君と手繋いで帰ってた娘が居たんだってー
それがさぁ、パッとしない地味子でさぁ…」
「そうそう!!なんだかなぁ~全然、お似合いじゃないのよね。笑っちゃったよ」
それって…私の事?
「桜井君ってさぁ、気まぐれじゃない?その娘、からかわれてるの分かってなかったりして…」
「ヤダ!!その娘、めっちゃ可哀想…」
「だよねー。だって、桜井君の彼女は麗子なんだからさぁー」
うそ…彼女?麗子って、あの美人の麗子の事?
そんな…
「あ、麗子、おはよ!!」
視線だけを横に向けると、綺麗にカールした艶のある髪をなびかせ、超ミニのスカートを気にしながら席に着く麗子の姿が見えた。
高校生とは思えない妖艶な色気を感じさせる大人っぽい麗子。地味な私とは別の人種の様だ…
あっ!!昨日、『亀楽』のおばちゃんが言ってた色っぽい娘って…
もしかして麗子の事だったんじゃあ…
「ねぇ、麗子、麗子は桜井君と付き合ってるんでしょ?
昨日、桜井君が冴えない女と手繋いで帰ってくの見たって話しだけど…知ってる?」