愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
2つ横の席の麗子が、クククッ…と笑うのが聞こえた。
「あ~ぁ、もう和弥ったら…また悪いクセ出ちゃったんだ…いつもの事だもん。気にしないよ」
自信満々の麗子のセリフが更に私を不安にさせる。
桜井君、麗子と付き合ってたなんて…そんなの知らなかった。
なんで麗子がいるのに私と付き合うなんて言ったの?
体中にジットリと汗が滲み呼吸が荒くなる…
「その女ってさぁー…このクラスに居たりして?」
麗子の取り巻きの1人がそう言うと、クラスがザワめきだし、私は堪らず下を向き下唇をグッと噛み締めた。
「自分の顔、鏡で見たことあんのかな?勘違いしてバッカじゃないの~?」
私に聞こえる様にワザと言ってるんだ。
顔が熱くなり、頭がクラクラする…
私は心の中で沙紀に助けを求めていた。
沙紀…助けて…。お願い、早く来て…沙紀。私、もう耐えられない…
「ま…お…」
待ち続けた声に反応し後ろを振り向くと、辛そうに眉を下げた沙紀が立っていた。
すると麗子が立ち上がり、腕組をして私の机の上にドカリと座った。凄い圧迫感に思わずのけ反ると、見下した様な眼で睨みつけてくる。
「真央、アンタ、あんまり調子に乗るんじゃないよ。
大人しそうな顔して、やってくれるじゃない?
人の男にちょっかい出すなんて…いい度胸してるねぇ」
言葉も出ない…
ただ、麗子の顔を見上げ零れ落ちそうな涙を必死で堪えていた。
「麗子、もうやめて!!」
沙紀が私と麗子の間に割って入り庇ってくれなかったら、間違いなく私は泣いていたと思う。