愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「…好きな…おん…な?」
それって…
「ウブで泣き虫で…一人にしておけない可愛い彼女だったて言ってたなぁ…」
それって…私の事?
動揺を隠すだけで精一杯だった。
龍司の口から聞かされる和弥の本当の気持ち。指先から徐々に体温が奪われ冷たくなっていくのがハッキリ分かった。
「でもな、その彼女、桜井が転校したらすぐに男つくったらしいぞ。それが何を考えてんだか…桜井の親友だった奴みたいで…全く、酷い女だよな!真央もそう思うだろ?」
「えっ…えぇ…」
耐えられないほどの胸の痛みに一瞬、息が止まる。
違う…そんなんじゃない…大声で否定したい気持ちを必死で押さえ込む。
「…桜井君は…その彼女の事…今は、どう思ってるのかな…」
「…さあな…そこまでは俺も分からないな。でも俺が知る限り、桜井はずっと彼女居なかったし、もしかしたら、まだその彼女の事想っているのかな…」
眉を下げ笑う龍司に、私は俯いたまま言ったんだ。
「桜井君…彼女、居るよ」
「えっ?」
「ちゃんと、彼女居るんだよ…だから、もうその元カノの事は忘れてるはず…」
それだけ言うとキッチンに向い渇ききった喉にミネラルウォーターを流し込んだ。
和弥…私は、あなたに振られたんじゃなかったの?