愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「バーカ!!見てねぇよ。
意識の無い女の胸盗み見するほど俺は変態じゃないつーの!!おぶった時、背中に当たってたから…柔らかいモノが2つ」
「うぐぐ…」
声にならない声を上げ、私はまた布団に潜り込む。
熱い…。体が自然発火しそうなほど熱くて、恥ずかしい…
そんな私に追い打ちを掛ける様に、桜井君が布団の上から私を抱きしめ「今度は直接、手で触りたい…」なんて言うから、また意識が飛びそうになる。
男性経験0の私には、刺激が強すぎる…
それでも、布団の上から伝わってくる桜井君の心地いい重みに幸せを感じ、このまま時間が止まってくれればいいのに…なんて思ってしまう。
桜井君…ホントに私でいいの?
麗子の事好きじゃないの?
麗子は、あんなにハッキリ付き合ってるって言ってた。
どっちを信じたらいいんだろう…
やっぱり、桜井君の気持ちを確かめるべきだと思い意を決して口を開く。
「…ねぇ、桜井君…」
そこまで言いかけた時、保健室のドアが開き養護の先生が入って来た。
彼の体が私から離れていく…
「ごめん、ごめん。遅くなっちゃってー」
桜井君は何事も無かった様な涼しい顔をして「じゃあ、俺、教室へ戻るから」と立ち上がる。
聞けなかった…
でも、内心ホッとしてる自分が居た。
まだもう少し…桜井君の彼女で居させて欲しいから…
「桜井君、見ててくれたのね。有難う。で、北沢さん、どう?まだ気分悪い?」
「いえ…」
まだ彼の温もりが残る体を抱きしめ私は小さく答えた。