愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
私がこの人に勝てる所なんて…ない。
そう思うと益々不安になる。こんな素敵な人がいるのに、和弥は本当に私の側に居てくれるんだろうか…
和弥は終始無言で、さっき見せてた笑顔はもう消えていた。
私が居るから?だから笑顔を見せてくれないの?私は和弥の笑顔が一番好きなのに…三浦さんに見せてた笑顔を私にも向けて欲しい。
一階のエントランスに出ると和弥は車をまわしてくると駐車場に向かい私と三浦さんは並んでビルの外へ…
「北沢様は、新川部長と結婚されるんですよね?」
三浦さんが話し掛けられオドオドしてしまう。
「えっ…はぁ…」
肯定も否定も出来ず曖昧な返事を返す私。
「秘書課では、ほとんどの女性社員は部長を狙ってたんですよ。フィアンセが居ると知って、皆、残念がってました」
「龍司って、そんなにモテるんですか?」
「りゅう…じ?あぁ、部長の事ですね。部長を呼び捨てに出来るのは社長とフィアンセの北沢様だけですよね。他の女性社員が聞いたら、きっと嫉妬の嵐ですよ」
「三浦さんも、その中の一人なんですか?」
違うと分かっているのに、ワザとそう聞いてみる。
すると彼女は「えっ?」と小さな声を上げ、ケラケラと笑い出す。
「私は…そんな…」
そう言いながら余裕の表情を見せる彼女が疎ましく思えた。だから言ってはいけないと分かっていたのに言ってしまったんだ…
「そうですよね。三浦さんが好きなのは、桜井君ですものね…」