愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
◆疑惑の眼
それからの私達は龍司の眼を盗み毎日のように密会した…
いつしか体を重ねるごとに罪の意識が薄れ、当然の事の様にイケナイ関係を続ける私と和弥。
たまにマンションを訪れる龍司に求められても、何かと理由をつけ彼を拒んでいた。龍司に不信に思われないかと心配だったけど、この体は頑なに龍司を拒み続けていた…
「真央…今日は、いいだろ?」
夕飯を済ませキッチンで食器を洗っていた私の後ろから龍司が腰に腕をまわしてくる。
「あ…ぁ…」
「前は生理でダメだったけど、もういいよな?」
「ん…でも、危ないかも…」
「じゃあ、ちゃんと付けるから…」
そろそろ限界かな…これ以上、龍司を避ければ変に思われてしまう…
「うん…」
私の返事を聞いて龍司は満足気に頬にキスをして離れていく。そんな彼の背中を眼で追いながら大きなため息を漏らし、罪悪感で一杯になる。
和弥…ごめんね。
リビングに戻った龍司が「あぁ、そうだ…」と言いながら、何やら鞄から取り出すとカウンター越しにそれを私に見せた。
「何?」
「結婚式場のパンフレットだよ」
「えっ?」
驚きの余り洗っていた皿を落としそうになり焦る。
「まだ…早いよ…」
「そんな事はないさ。今から予約入れとかないと来年の春には間に合わないよ。ここは俺の兄貴達も式を挙げた所なんだ。凄くいい式場だから、きっと真央も気に入ると思うよ」
そんな…結婚なんて、イヤだ…