愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

次の日の夜、龍司を実家に送った和弥がマンションの部屋に来た。


「部長と…寝たのか?」


和弥の眼を見ることが出来ない…


「…ごめん…なさい」

「はぁ~…そうか…」


大きくため息を付く和弥。その横顔は引きつってる。


そうだよね。自分以外の男に抱かれた女なんて、汚らわしいよね。


「私の事…ひっぱたいて、いいよ…」

「…バカ」


苦笑いを浮かべた和弥にソッと抱き締められ、思わず泣きそうになる。


ここが私の望む場所なのに…


「断れないのは分かってる。真央が悪いんじゃない…ハッキリしない俺が悪いんだ…」

「家族の生活が掛かってるんでしょ?迷うのは仕方ないよ。会社辞める訳にはいかないもんね」

「真央…」


結局、私達は何も決められなかった…




―――そして、約束の日曜日


私と龍司は結婚式場へと向かった。


小高い丘の上にある緑に囲まれたロココ調の真っ白な建物。小鳥のさえずりと、風が木々の枝を揺らす音しかしない。


「いい所だろ?ただ、交通の便が悪いのがネックなんだが…」


本当に素敵な所。空気が澄んでいて心が癒される感じ…私の汚れた心も、浄化されればどんなにいいか…

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