愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「帰ってくる途中で車のタイヤがパンクして、ジャッキアップしてタイヤ交換してたから…」

「もう!とにかく入って!!このままじゃ風邪引くよ。シャワー使って。私、着替え探してくる…」


和弥をバスルームに押し込むと、寝室のクローゼットから龍司がまだ袖を通してないTシャツとジャージを引っ張り出しバスルームに急ぐ。


そして、シャワーを浴びている和弥に硝子越しに声を掛けた。


「和弥、ここに着替え置いとくね」


それだけ言って脱衣所を出ようとした時、和弥が硝子を叩き私の名前を呼んだ。


振り返ると、彼がバスルームの中から曇硝子に指で何か書き始めた。私が読める様に逆文字で…ゆっくり、ゆっくり…


時間を掛け硝子に浮かび上がった文字。それは…


ま…お…いっ…しょに…はい…ろう…


「えっ?一緒にって…何考えてんのよ!!」


恥ずかしくて、つい大声で怒鳴っていた。するとバスルームのドアが開き、和弥が私の腕を掴んで強引に引っ張ってきたんだ。


「キャャ――ッ…」


白い湯気が立ち昇る中、私の頭の上からシャワーのお湯が降ってくる。


ヤダ!!私までびしょ濡れ…


「何するのよ!和弥」


思いっきり和弥を睨みつけた私に、和弥は真顔でシャワーを掛けながら言ったんだ…


「部長に抱かれた体を、俺が綺麗に洗ってやる…」

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