愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「は…い」
戸惑いながら返事をする和弥が落胆の表情を見せる。
和弥は私との事、言うつもりだったんだ…でも、そんなとしたら和弥が…
「その服は返さなくていい。今日はもう帰れ…あぁ…それと…社用車の運転は暫くしなくていい。車のキーは置いていけ…」
龍司がこんなに和弥に冷たい態度をとるの…初めて見た。私との事がにバレたら、龍司が和弥を切るという和弥の予想は当たっていたんだ…
和弥は何も言わずキーをテーブルの上に静かに置くと眼を伏せたままリビングを出て行く。
「…龍司…勘違いしないで。桜井君は…」
「真央…あまり俺をガッカリさせないでくれ…俺が帰って来なかったら2人はどうなってた?それとも…もう、どうにかなってるのか?」
「そんな…」
「もうこの話しは終わりだ。それより、予定が変更になって本社出張は明日から一週間に変わった。風呂に入ってくるから、その間に用意を頼む」
「はい…」
まだ心臓がバクバクいってる。
龍司は間違いなく気付いてる…私と和弥の関係を…気付いているのに深く追求してこない。それが余計に不気味で怖かった。
でも今は認めちゃダメだ…和弥から仕事を奪う訳にはいかない。
私は龍司がバスルームに入るのを確認すると携帯を持ち寝室へと急ぐ。慎重にドアを閉め和弥の携帯に電話を掛けた。