愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「和弥?」
『真央、どうした?部長は?』
「今、龍司はお風呂。それより、龍司は気付いてるよ…」
『分かってる。だからさっき俺は本当の事言おうとしたのに…』
「ダメ!絶対、ダメ!
私との事認めちゃダメだよ。龍司は和弥を辞めさせるかもしれない…」
『そんなの…真央を抱いた時から覚悟してるさ…』
「…和弥」
そんなのイヤだよ。私のせいで和弥が会社を辞めるなんて耐えられない…
「もし…もしもだよ。龍司に問い詰められて、どうしてもホントの事言わなくちゃいけなくなったら、私に誘われたって言って。和弥はそんな気なかったのに私が無理やり和弥を…」
『バカか?お前は…』
「えっ?」
『誰が信じる?そんな話し…』
和弥の呆れた様なため息が聞こえてくる。
「あ…ごめん…」
『真央、俺の事は心配するな。お前こそ大丈夫か?』
「うん…」
和弥はまた連絡すると言って携帯を切った。
私が悪いのに…私が和弥を忘れられなかったから、こんな事になったのに…
ごめんね…和弥…
とにかく今は龍司の機嫌を損ねない様にしないと…だ。
クローゼットからキャリーバックを出し、龍司に言われた通り一週間分の出張用の着替えを詰めていると…
「真央…」
お風呂から上がった龍司がタオルで髪を拭きながら私の横に座った。
ドキドギドキ…
また鼓動が早くなり体が固まる。