愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
動揺してる顔を彼に見られたくなくて、黙々と着替えをバックに詰めていると、龍司が私の手首を掴んだ。
「今日、兄貴に電話して結婚式の話しをしたよ…」
「えっ…」
私はゆっくり顔を上げ、龍司を見つめた。
「なかなか忙しくて日本に帰って来れない人だからな…相談して、一応、来年の4月で話しがまとまった…真央はどう思う?」
「…4月?」
もう一年もない…
「4月はイヤか?それとも、結婚がイヤとか?」
いつもの優しい眼ではなく探る様な眼で私をジッと見てる。
「…そんな事…な…い」
「そうか…じゃあ、今度の休みにあの式場に行って、4月の真央のいいと思った日に予約を入れてきてくれ…俺は出張で居ないから真央に全て任せる」
「そんな…私一人で決められないよ…龍司の仕事の都合もあるし…」
すると龍司は表情を変える事なく私の肩を抱き言う。
「前にも言ったろ?俺が仕事に合わせるんじゃない。仕事が俺に合わせるんだ…。そうだ…桜井と一緒に行ってこいよ。あそこは交通の便も悪いし、アイツに乗せてってもらえばいい。1人で心細かったら桜井と相談して日取りを決めてくればいいだろ?」
龍司…何を考えてるの?どうして和弥なの?
「本当は、真央のご両親に挨拶しに行くのが先だろうが予約が取れなくなったら困るからな…明日にでもご両親に電話してお会いしたいと伝えておいてくれ」
怖い…龍司の考えている事が分からなくて怖い…
知らぬ間に、私は龍司に雁字搦めにされている…