愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
ドサッ……
彼女が抱えていたバックが床に落ち鈍い音をたてた。
「どうしました?」
支配人の声に彼女は慌ててバックを拾い上げると私達の前の席に座り「…なんでもありません。失礼しました」そう言って頭を下げる。
「じゃあ、後は宜しくお願いします」
支配人の姿が見えなくなると、彼女はフゥ~…と大きく息を吐き「…信じられない」そう呟き驚きの表情を見せた。
「麗子…どうして麗子がここに?」
「それは、こっちのセリフ!!まさかアンタ達2人とここで再会するなんて思わなかった…」
麗子はまだ信じられないって顔で胸に手を当てる。
「私もだよ…麗子、ウエディングプランナーになってたんだ…」
「うん。私、高校出てすぐ就職したんだ…4年目に入ったとこ」
そう言いいながら、麗子の視線は既に私の横の和弥に移っていた。
「和弥…久しぶりだね…」
少しはにかみながら笑う麗子に和弥はバツが悪そうな顔をして「あぁ…」と小声で返事をするとタバコを銜えた。
和弥にとって麗子は元カノ。やっぱり、気まずいのかな…
「でも…まさかアンタ達が結婚するなんてね…それも私の担当する式場で…なんだか運命を感じちゃうなぁ~…あ!!でも変だよね…支配人から渡された資料には、確か…新川…様って…」
慌てて数枚の紙を捲り名前を確認して不思議そうに首を傾げる麗子。
すると和弥が低い声でボソッと言う。
「結婚するのは…俺じゃない…真央と、新川龍司だ…」