愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「はぁ?じゃあ…なんで和弥がここに居るの?」
和弥は乾いた笑みを浮かべ、タバコの煙を一気に吐き出す。
「俺と真央がデキてるって疑われてな…お仕置きされてんだよ」
麗子は益々分からないって顔で眉を顰める。
「取り合えずチャペル見に行く?そこで詳しい話し聞かせて」
麗子に案内され改装工事が終わったばかりだというチャペルに向かった。
「6月の日曜なのに、今日は式ないの?」
「今日は仏滅だから…ホントは私、お休みなのよ。真央達の為に休日出勤」
「あ…そうだったの?ごめんね」
「うぅん。真央や和弥に会えたんだもん。休日出勤したかいがあったよ」
「私も麗子に会えて嬉しい。それと…ちょっと気になってる事があるんけど…麗子さっき"宮原"って言ったよね…?麗子の苗字って"宮原"じゃなかったはず…」
すると麗子は照れくさそうに私の眼の前に左手をかざす。その薬指にはシルバーのリングが光っていた。
「えっ…まさか、麗子」
「うん。3ヶ月前に結婚したんだ…新妻なんだよ!私」
「そうなんだ…おめでとう。麗子…」
幸せそうに微笑む麗子が無性に羨ましく思えた。
私もこんな風に笑いたい…
「それで、さっきの話しの続きだけど…アンタ達、デキてるの?」
麗子の唐突な質問に私と和弥は顔を見合わせ苦笑い。
「な、ワケねぇだろ!真央は、その新川って人と結婚するんだ…」
「そう…なんだ…」
麗子は釈然としない顔をしながらチャペルの大きな扉を開けた。
「どうぞ、入って」