愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「麗子…お前ってヤツは…」
桜井君は立ち上がると、麗子の体をプレハブの部室の壁に押し付け大声で怒鳴る。
「お前とは、もうとっくに終わってるだろ?なんで北沢にこんな事する?
女は殴らない主義だけどな、お前は別だ!!ブッ殺されたいか!!」
余りの桜井君の怒りに驚いたのか、麗子は大きく眼を見開き小刻みに震えてる…
「あたし…まだ、和弥の事が…」
麗子の消え入りそうな声が、かろうじて私の耳に届いた。
「ふざけるな!!別れた原因はお前だろ?
なんでも自分中心で、我がままばっか言いやがって…挙句の果てに浮気だろ?
それでまた、より戻してくれってチョコ渡してくるお前の神経が分かんねぇよ!!」
そうだったんだ…
桜井君と麗子は付き合ってたけど、もう別れてたんだ…
でも、麗子はまだ桜井君のことが好きで…
「…麗子、なんで俺が真央に惚れたか…分かるか?」
さっきまでとは違い桜井君が落ち着いた口調で言う。
「…分かん…ない…」
「だろうな…麗子と真央は、まるっきり正反対だからな。
お前に真央の良さなんて、百年経っても分かんねぇだろうな…」
ため息を漏らした桜井君が視線を落とす。
「和弥…教えて…どうして真央なの?こんな地味で目立たない娘のどこがいいの?」
麗子がすがる様な眼で桜井君を見つめた。