愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

その夜、龍司は、なかなか帰って来なかった。


泥酔状態で和弥に支えられ帰って来た頃には、既に夜中の1時をまわっていた。


「真央…俺の、真央…」

「龍司…しっかりして…」


玄関で崩れ落ちる様に私に抱き付いてくる龍司の体を必死で受け止め声を掛けるが全く反応がない。


私一人の力では龍司を支えきれず危うく倒れそうになる。仕方なく和弥の力を借りてリビングのソファーまで龍司を連れて行き、なんとか座らせホッとして体を離そうとした時…


龍司に腕を掴まれ凄い勢いで彼の胸に引き寄せられた。


「あっ…りゅ…じ」

「離さない…」


血走った眼が微かに光を放ち私の後頭部を押さえ付ける。


「…ヤッ…うぅ…っ」


強引に奪われる唇…


イヤだ…和弥が見てるのに…


「やめて…んんっ…りゅう…じ」


抵抗する私の体をソファーに押し付け、覆いかぶさる様にキスを繰り返す龍司。


ダメ…お願いやめて…和弥に見られたくない…


必死で首を振りながら薄目を開けると、表情のない顔をした和弥と眼が合った。


見ないで…和弥……見ないで…こんな姿…見ないで…


すると突然、和弥の視線が龍司に向けられ、険しく釣り上った眼が鈍く光った。


和弥が静かにこちらに向かって歩いてくる。


ダメ…和弥…落ち着いて…龍司の挑発に乗っちゃダメ!!


これ見よがしに激しくキスを繰り返す龍司の肩に和弥の手が伸びる…


もう、おしまいだ…全て龍司にバレる…


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